新型コロナウイルス感染症に係る経営相談レポート

新型コロナウイルス感染症が令和2年2月~3月にかけて経済への深刻な影響の影を落とし始める中、当所では事業者の相談に迅速な対応をするため「新型コロナウイルスに関する中小企業・小規模事業者相談窓口」を3月に開設した。今回のThe NORTHでは、今後起こりうる厄災に向けた備忘録として、当所中小企業相談所における昨年の相談状況レポートを掲載したい。

 令和2年4月~令和3年3月は合計して2、915件の事業所にご相談いただいた。事業所の所在地を見ると枚方市1、370件、寝屋川市808件、交野市377件、その他18件、不明342件となった(図1・表1)。※ 不明については電話の問い合わせで事業所名などを名乗らず、施策の内容だけを尋ねてきた事業所をカウントしている。


 各月の傾向を見ると4・5月の相談件数が突出しており(図1)、国から出された実質無利子融資の仕組みや給付金の給付額算定方法などの相談が目立った(図3 ・ 5・表1)。要因としては緊急事態宣言が発令されたことにより、経済活動が大幅に下押しされ、先行き不安を感じた事業所の資金繰り対策への関心が高まったことが考えられる。
 緊急事態宣言が明けた7 -9月期の中小企業全体の経営上の問題点を見ると「需要の停滞」が顕著に表れていた(図4)。


 

 中小企業からの需要喚起への要望が高まる中、国から「Go toキャンペーン」や「特定定額給付金」などの経済活動を再開させる施策が打ち出された。それに伴い感染対策と経済活動を両立させることを目的に、デジタル化への対応や飲食店を中心としたテイクアウトやデリバリーへの事業転換をするために9月以降も「持続化補助金コロナ特別対応型」や「持続化補助金一般型」などの販路開拓支援に対する相談が継続して行われた(図2 ・ 7・表1)。

融資相談まとめ

 令和2年度の融資関連相談は「新型コロナウイルス感染症特別貸付」が285件と最も多く、以下「新型コロナ関連マル経融資」238件、「新型コロナウイルス感染症対応資金」18件となった(図2・表1)。4月の緊急事態宣言発令時は「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「新型コロナ関連マル経融資」など政府系金融機関融資への申請が殺到した。5月には日本政
策金融公庫の混雑を緩和するため「新型コロナウイルス感染症対応資金」が設けられた。民間金融機関融資は金利や保証料が政府系金融機関融資よりも優遇され、専用のワンストップ窓口も民間金融機関に開設したことから相談窓口が分散され、当所の相談対応も落ち着いた(図5・表1)。

給付金・助成金・その他相談まとめ

 令和2年度の給付金・助成金・その他相談を振り返ると「持続化給付金」が418件と最も多く、以下、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」96件、「大阪府休業要請支援金」71件、「雇用調整助成金」59件となっている(表1)。今回の持続化給付金は電子申請で行われたため、インターネットに不慣れな方や環境が整っていない方の相談が殺到した。また、給付金制度は融資や補助金と違い、審査や計画書の作成、返済などが不要かつ、事業全般に広く使える制度であるため、多くの事業所が申請を行った(図6・表1)。

補助金相談まとめ

 令和2年度の補助金相談は「持続化補助金コロナ特別対応型」が1、169件と最も多く、以下「持続化補助金一般型」569件、「事業再構築補助金」58件となった(図7・表1)。持続化補助金の相談傾向として締切日の前月に相談件数が増える傾向にある。特に6月と10月は「一般型」と「コロナ特別対応型」の締切日が重なっていたため、5月と9月の相談件数は大幅に増加した(図7・表1)。また、両補助金には業種別ガイドラインに基づいた感染防止対策の費用(消毒液やマスク、空気清浄機など)が補助される事業再開枠が設けられた。この感染防止対策費を目的に持続化補助金の申請を希望する事業所も少なくなかった。2月に入るとW ithコロナ時代のニューノーマルに対応するため思い切った事業再構築を補助する事業再構築補助金が発表され、相談件数が増加した(図7・表1)。

北大阪商工会議所の今後の取り組み

 ワクチン接種が始まり、今後経済回復への機運が高まることが推測される。それに伴い令和3年度補正予算では新たなビジネスへのチャレンジを促進するため、持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠が設けられた。これは感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるWithコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組みを支援するものであり、多くの企業の利用が予想される。またアフターコロナにおいてデジタル技術の活用は企業に必要不可欠であることから、IT支援やDX推進のニーズも高まることが考えられる。このような多岐にわたった経営相談のニーズに応えるため、北大阪商工会議所は、総力を挙げて事業所支援に取り組んでいく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です