Nijiriguchi Vol.2

「神田の世界」観でお客様に寄り添う「愛され店」
KANDA Le Monde 代表 神田 博

 今回のNIJIRIGUCHIの主人公は、2015年香里ヶ丘に創業したKANDA Le Monde 代表 神田 博氏(41)。「Le Monde」はフランス語で「世界」、つまり店名は「神田氏の世界」観を世界に広げたいという想いが込められている。北欧建築を思わすエクステリアでおしゃれな扉や造作が来客を迎える。店内に入ると吹き抜けの高い天井が外観よりも広い印象を与え、アットホームで開放感のある空間と革張りのスタイリングチェアは、座る人に特別感を与えてくれる。一方、シャンプー台は落ち着いた照明の個室となっており、施術と相まって癒しのひと時を提供するに違いない。夫婦二人で切り盛りするには全てがちょうどいい、お客様に寄り添うことにこだわったお店、それがKANDA Le Mondeだ。

コロナ禍で客数アップ!?その秘訣は

 KANDA Le Mondeのサービスは、カット「ルモンドカット」、8種類の薬剤を使用したパーマ「ルモンドパーマ」、ウォームパーマ「ルモンドウォームストレート」、カラーリング「リタッチ」「フルカラー」など、骨格や髪質の違いを丁寧に見極めることにより、基本的な技術の高さ、仕上がり、手入れのしやすさに定評がある。シャンプーが気持ちいいということで、「ヘッドスパ」も隠れた人気メニューだ。
 KANDA Le Mondeでは、このコロナ禍で一時的に落ちた時期もあったが、すぐに客数アップに転じたという。どうやらその秘訣は前述のサービスの良さだけにあるわけではなさそうだ。サービスの外縁にある隠れた要素、それはまさに「人柄」。わがままオーダーにもしっかり話を聞き、スタイルを提案。悩み相談まで聞いてくれるとても優しくお客様に寄り添えるオーナーだからできるきめ細やかな気配り。これこそがコロナ禍であるからこそ常連客を増やし続ける要因ではないだろうか。

振り返れば都合の良かった異例の経歴

 通常、美容師になるには大学の代わりに専門学校へ通うのがセオリーだ。しかし神田氏は、大学で政治経済を専攻。卒業後、美容室で修業をしながら美容免許を取得したという異例の経歴を持つ。なぜこの業界に足を踏み入れるに至ったのか。当時は就職氷河期、大手であっても倒産やリストラ、減給のリスクがあるということをニュースなどで目の当たりにしていた。日本四大証券会社の一角、山一證券㈱が経営破綻した時代である。そこで彼は、自分が一生続けていく仕事なら、就職よりも手に職をつけ、起業した方が潰しが効くし、リスクが低い、と考えた。ちょうどその時、アルバイトは美容室。髪を触りデザインすることに魅力を感じている自分に気が付いた。結局、それが美容の道に進む決め手となった。政治・経済を学んでいたことも起業を目指すには都合が良かった。学生の頃から起業を考えていたという点では、近年のZ世代※(2000年~生まれ)のアントレプレナーシップと近い感覚かもしれない。「成功のカギは、的を見失わないことだ。自分が最も力を発揮できる範囲を見極め、そこに時間とエネルギーを集中することである」マイクロソフト創業者ビル・ゲイツの言葉だ。神田氏は最も力を発揮できる範囲を大学で見極め、以降そこに時間とエネルギーを集中してきたからこそ、KANDA Le Mondeがあるのではないだろうか。

※Z世代
Z世代とは、日本では主に「Y世代」の後、つまり、1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代を指し、デジタルネイティブであり、SNSネイティブ、さらにスマホネイティブでもある。デジタルネイティブ、ソーシャルネイティブ、多様性を認める価値観、本質思考と共感性、リアリストで経済的に保守派、超コンテンツマルチタスク、という特徴があげられる。

経営基盤強化で商工会議所が支援

 商工会議所では経営に役立つ情報を常に発信し、経営基盤強化や販路開拓支援として経営者に寄り添った支援も行っている。その一環で当所の高田指導員は、神田氏に様々な情報提供をしていた。その中で神田氏の目に留まったのが「小規模事業者持続化補助金」だ。この補助金は、小規模事業者等が地域の商工会議所または商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3で補助、上限額50万円を補助するという制度だ。
 KANDA Le Mondeでは、この制度を活用し、2017年に「一般型」で採択、経営基盤強化の一環としてこれまで未着手だったお客様用駐車場を整備し、より遠方のお客様にも寄り添う体制を作った。もちろん、申請書作成支援には高田指導員が丁寧なフォローアップを行った。過去2年間の経営内容や周辺の経営環境を分析したうえで、販路開拓のために必要な要素を整理し、補助事業として経営基盤の強化に絞ったのである。高田氏の支援を受けて、神田氏は「申請書の書き方は、我々でいうお客様の髪質のように、独特の癖があり、その癖を理解されている指導員・高田さんの支援は大変ありがたかったです。」と当時の思いを語る。

KANDA Le Mondeの未来予想図

 小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が毎年1回申請することができる。その仕組みを活用して、KANDA Le Mondeでは早速次の一手を準備中だ。サービスの新たな柱を作り付加価値を上げ、デジタルによる販路開拓に取り組む。具体的には、ネイルプリンター導入による手の美容分野への進出だ。より幅広いコーディネートを提案できるようになることで顧客のすそ野を広げる。合わせてLINE@を活用した顧客へのダイレクトマーケティングによって、デジタルによる販路開拓を行う。マイクロDXへ一歩近づけるかもしれない、と高田指導員は意気込む。引き続き、中小企業相談所を中心に伴走型支援を行う予定だ。
 現在3人のお子様がいらっしゃるという神田氏。そのうち2人は、将来このお店を引き継ぎたい、と幼いながら
お店のお手伝いをしてくれるそうだ。事業承継不振により黒字倒産が社会問題となっている昨今、KANDA LeMondeの未来予想図は澄み渡った青空のように明るい。

KANDA Le Monde
〒572-0009 寝屋川市末広町16-33 TEL:072-832-9999
営業時間:10:00~19:00 定休日:月曜日 駐車場:あり
ホームページ:https://kandalemonde.business.site/
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『Nijiriguchi』とは

 「Nijiriguchi」は、千利休が茶室の入り口に取り入れた「躙り口」から拝借したローマ字。交流の場でもある茶室の中では、すべての人が平等ということを示すため、敢えて入口を低くし、身分が高い人でも、刀を外し頭を下げなくては茶室に入ることができない仕様となっていた。そのアイデアの想起が、我が街・北河内のシンボル「くらわんか船」の発着場の出入口であったと言われている。
 商工会議所も会員事業所様が分け隔てなく交流でき、意見を交わせる場でありたいという想いと、会員事業所様同士が繋がる小さな入口としてのコーナーでありたいという想いを込める。

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